キャリアを考える
CAREER 特別編
N.S.技術系(機械系)
Connect Conveyor Belting社
ヴァイスプレジデント(副社長)
工学部 機械工学科卒
1998年入社
技術者から技術営業、
そして海外で経営者へ。
ニッタは現在、海外12カ国に16の関連会社を展開している。
その中の1社、カナダのConnect Conveyor Belting社(CCB)は、2016年からニッタグループに参加した、最も新しい海外関連会社だ。
N.S.は、CCBのグループ入りと同時にカナダへ赴任し、副社長を務めている。
カナダに常駐する唯一の日本人であり、現地での責任者といえる存在だ。
工学部卒で技術者出身のN.S.は、いったい、どんなキャリアステップで、今に至ったのだろうか。N.S.の話を聞いてみよう。
入社の決め手は
「海外」と「やりがい」
大学での専攻は機械工学で、研究はおもしろかったのですが、将来は研究の道に邁進するというよりも、幅広い視野で多くの人に接しながら、モノづくりに携われる仕事がいいな、と考えていました。
一方、大学の時には、海外への興味が生まれました。バックパッカーとして東南アジアを旅した時、あちこちで親切にしてもらい、こうした国々や人々に関わり、役に立てる仕事ができれば、と漠然と考えるようになったのです。
そんな思いを持っている中で出会ったのが、ニッタ。気に入ったのは、海外でもモノづくりをしているところと、大きすぎず小さすぎず、という規模。仕事が細分化されすぎずに、モノづくりに幅広く携わり、やりがいを感じられるのではないか、と考えたのです。
技術者として
成長した10年間
入社後、技術者として約10年間、工業用ベルトの設計を中心に担当しました。
はじめは「ベルトを作るのは単純な仕事だろう」と思っていたのですが、工場の技術部に持ち込まれてくるニーズは多種多様。「こんな重さのモノをベルトで運びたい」「こんな狭い場所にベルトを通したい」といった難しい要望に、素材や形状から考えて、試作して、テストして、応えていきます。難しい案件を最初から最後まで担当し、おもしろさ、やりがいを感じることができました。
国内の技術営業職も担当しました。より顧客に近いところで活動し、技術系の立場から顧客へ提案をしていくのです。工場でモノづくりをした経験を活かして、顧客に説明し、納得して購入してもらえた時には、喜びもひとしお。「モノづくりにも携わりながら、多くの人と接したい」という、望んでいた仕事ができるようになりました。
海外の技術営業で
視野を広げる
12年目から、海外の技術営業としてNitta Industries Europe(ドイツ) へ赴任。
工業用ベルトを、ヨーロッパ各国のメーカーへPRし、採用してもらえるよう働きかける仕事。特にドイツのメーカーには、職人気質の技術者が多く、一筋縄には行かないことも多かったのですが、お互いに“いいモノをつくりたい”という思いは同じ。粘り強く取り組んで、少しずつ成果を出せるようになりました。
はじめは言葉の壁もありました。それ以前も海外出張は多く、ある程度は英語を使っていたものの、駐在となると必要とされるレベルが違いますからね。
結局、ドイツには6年間駐在し、視野が広がりました。ヨーロッパの顧客メーカーもアジアに生産拠点を持っていたりするので、ニッタも世界の拠点のどこで作ってどう納品するか、といった視点が必要。グローバルにビジネスを考えられるようになったと思います。
カナダの関連会社でマネジメントに携わる
入社後、約20年を経て、カナダのConnect Conveyor Belting社(CCB) へ赴任することになりました。
CCBはもともと、規模は大きくないものの特徴のある製品づくりで評価を得ていたベルトメーカー。「ニッタにはない技術を持っている会社で一緒に成長していく。それは面白そうだ、チャレンジしてみたい」と思い、話を受けたのです。
マネジメント(経営)の仕事は、私にとっても大きなチャレンジ。今思えば、はじめは知らないこと、分からないことだらけでしたね。カナダの社員、そして日本の本社からのサポートがあって、なんとかやってこられた、というところです。
カナダの社員たちは、ニッタグループの一員になって、世界中のニッタの拠点や顧客にCCBの製品を供給できることを、「自分たちの可能性が広がった」と喜んでくれました。私も、彼らのやり方を尊重し、話を聞くことを大切にしています。それによって、ニッタとのシナジー効果を出せるようにしたいと心がけています。
世界を見ながら
成長を続ける
「ワールドワイドミーティング」。ニッタのベルト事業部門で毎年、開かれている会議で、世界のグループ会社の経営に携わるメンバーが参加し、事業の状況と目標を語り合います。CCBも今年、「ワールドワイドミーティング」に初参加、世界のグループ会社の代表の前でCCBについて発表して、カナダの社員にも「われわれCCBの製品が他の拠点に出ていく」という実感を持ってもらえたと思います。
今後は、“CCB独自の技術による製品を、いかに世界に展開していくか”が、ニッタグループの中で求められます。
私自身、これまでよりもさらに責任ある立場で判断をしていくことが増えており、プレッシャーもありますが、一歩一歩成長しているという手応えも出てきました。これからも、カナダの社員たちと一緒に成長していきたいと考えています。
世界を視野に、仕事の幅を次々と広げながら、
チャレンジは続いていく。
※掲載している社員の所属や職種は、取材時のものであり、異動により変更になっている場合があります。